最近、「オーストラリアがワーホリの受け入れを抑制・停止する」といったニュースやSNS上の投稿を目にし、不安になっている方も多いのではないでしょうか。結論から申し上げますと、日本人が対象となるワーキングホリデービザ(Subclass 417)は処理は遅くなっておりビザ取得に以前よりも時間がかかっていますが、停止されているわけではありません。
混乱の原因と現状どうなっているのかをまとめました。
1. 462と417の混同
ニュース等で報じられている「受け入れ停止・人数制限」の多くは、Subclass 462(Work and Holiday Visa)に関するものです。日本人が申請するSubclass 417(Working Holiday Visa)とは制度が異なります。| 項目 | 417ビザ | 462ビザ |
|---|---|---|
| 対象国 | 日本、韓国、イギリス、ノルウェー等 | 中国、インド、ペルー、ベトナム等 |
| 年間人数制限 | 原則無し | 国ごとに年間発給上限あり |
| 発給状況 | 審査遅延はあるが受付中 | 一部国で発給上限到達による停止・抽選制 |
2. 今回のニュース・議論の真相と背景
現在、豪政府内では、ワーホリビザの抽選制の拡大とセカンド・サードの見直しの議論があり、ニュース報道やSNS等で話題となっている「ワーホリ抑制」の議論には、主に以下の背景があります。①462ビザ対象国における受入停止・抽選制
462ビザは国ごとに年間発給上限(キャップ)が定められています。申請者が殺到した一部の国々で受付停止や抽選制(Ballot)が導入されており、これが「ワーホリ全体が停止された」と誤解されて拡散しています。
②政治的議論と移民政策の見直し
現在、オーストラリア国内では住宅不足やインフラの負荷、政治的対立から「移民数の抑制」が議論されています。ただし、野党などからは「ワーホリは都市部の住宅問題の主因ではない」との意見も出ており、今後の動向は注視する必要があります。
③農業労働力とPALM制度(Pacific Australia Labour Mobility)
トニー・バーク内務大臣発言で、「農業分野における主要な労働力供給源は、ワーホリではなくPacific Australia Labour Mobility(PALM)制度」と発言しています。
セカンド・サードワーホリの見直し議論の中、この内務大臣の発言は注目に値します。
発言では「農業分野」と言っていますが、PALMでは食肉・食品加工やホスピタリティ・ツーリズム、エイジドケア等での就労もできます。PALMの待遇改善や労働搾取からの保護の議論も行われている一方、業者側の本音として「待遇改善をするなら、ワーホリを雇ったほうがいい」との発言も出ています。
こういった一連の動きが今後417のワーホリビザにどう影響するかは現時点ではわかりませんが、政府の発表に注意が必要です。
3. 今後のワーホリ検討者が「今すぐできること」
現時点では政府がどのような変更を入れてくるか、発表待ち状態ですが、今できることをご案内します。●渡航が決まっている方は早めのビザ申請を
現在、417ビザ全体の審査期間が長期化する傾向にあります。ワーホリビザは取得(発給)から1年以内に入国すれば有効ですので、渡航時期が決まっている方は余裕を持った申請をおすすめします。
●語学力・資金・スキルの準備を進める
ビザ制度がどう変わっても、現地での就労や生活をスムーズにするための「英語力」「初期費用」「職務経験」は裏切りません。
公式発表を注視
今後、抽選制の導入やセカンド・サードビザの要件変更が入る場合でも、「いつの時点から適用されるか」「既存滞在者への経過措置はあるか」などが焦点となります。
SNS等では断片的な情報や、誤った情報、意図せずミスリードしてしまうような発信等が多いので、ビザに関しては特に政府の一次情報を参照してください。
不確実な状況で不安も多いと思いますが、焦らず冷静に対応していただければと思います。
4. 今回のブログの情報元
今回のブログは、こちらの情報を元に作成しています。●Yahooニュース: 豪、「ワーホリ」受け入れ抑制 極右台頭で移民政策見直し
●ABC Radio: AUDIO: Government slows working holiday visa processing
●ABC News:Mining, business leaders warn immigration changes could discourage skilled migrant workers
●SBS News: 'Not where the problems are': Working holiday visa slowdown divides parties