一番良い留学方法の考え方

最近、日本から大学や大学院のお問い合わせを受けていて思う事があります。
何を勉強したいか決まっていないという方が割といらっしゃるのです。
ここは日本とオーストラリアの大学に関する考え方の違いを感じるところです。

日本で大学進学をする学生さんは、「これから将来どうしたいかを考えるため」であったり、
「色々な経験をするため」であったりする事が多く
高校生のうちから進路を決定して大学に進学する方は少ないと思います。
統計でも高校生のうちに自分の進路が決まっている人は半分いるかいないかだそうです。
私も実際大学に行った時は、好きな事を学びにはいきましたが、
これが将来につながるとは全く考えずに決めたという感じでした。

オーストラリアでは大学進学をする際に、多くの生徒さんは何がやりたいか
決まっていて、いろいろな経験をしたい人や将来どうしたいかと考えたい人は
ギャップイヤーなどを使ってボランティアをしたり、
海外に出て見聞を広めたりしています。
また、高校卒業時にそのまま就職をして、お仕事をしていくうちに
足りない学歴や知識を補う為に大学に入りなおす方もいます。

そうなってくると、目標が決まっておらず勉強するのと
目標が有って勉強するのは
やはり勉強に対する意識に差が出てきますね。

海外の大学に出て勉強をする事は、たくさんの新しい文化や考え方が有る
という事を実際に感じる良いチャンスですが、
大学留学の場合はある程度目標を決めてから入学する方が
クラスメイトとのギャップを感じる事は少ないかもしれません。
また、事前準備である英語力アップや学費を貯めるのにも
計画をしっかりたてて目標に向かう事ができると思います。

もちろん、これは目標が決まっていない方に大学入学をお勧めしない
という意味ではありませんが、もしまだ海外でこれが学びたいというものが
はっきり決まっていないという場合は
まず英語だけでご留学をされたり、ワーキングホリデーなどでご渡航をされ、
ゆっくり色々な経験をした上で大学進学を決定する事もできます。
そして、やりたい事は決まっているけれど、本格的な留学には
時間や予算があまり取れないという方には、『英語半年+大学のコース一部受講半年』
という留学方法もあります。

ご帰国後の就職などを考えると、学歴の事を考えてしまうのは
仕方のない事かもしれませんが、本格大学留学でなくてもいろいろな国の人たちと
交わる事で見えてくる事、感じる事、得る事もたくさんあります。
せっかくお金も時間もかけての留学でしたら
有意義に過ごせるのが一番です。
自分に取って一番良い留学方法を考えてみてくださいね。

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鐵見 尚美 / Naomi Tetsumi

オーストラリア、シドニー在住。豪政府認定教育エージェントカウンセラー(QEAC登録番号 G176)。20代半ば、ワーキングホリデーでオーストラリアに。アデレード、パース、シドニーなどに滞在しながらラウンドする。しかし、思うほど英語力がつかなかったことから、その後ゴールドコーストで語学学校に通い直し、ようやく英語を話せる楽しさを知る。帰国後、海外で得られる経験をより多くの人に、と留学会社に就職。2007年、当時の勤務先のシドニーオフィス立ち上げのためビジネスビザで渡航し、2010年永住権取得。現在はオーストラリア留学センターのシドニーオフィスの留学カウンセラーとして、カウンセリングや現地サポートを行う。このカウンセラーに質問する