人を動かす英語力

英語、英語、英語、、、
グローバル人材、グローバル人材、グローバル人材、、、

流行語大賞が取れるんじゃないと思うほど、よく見かける言葉です。
日本はグローバル化に乗り遅れている、留学をして英語を学び、グローバルに通用する人材になろう!!

でも、単に「英語ができる=グローバルに通用する人材」ではないですよね。
語学はもちろんですが、それだけでは何か足りない・・・と考える方が多いからでしょう、インターンシップやボランティア、といったように、語学プラスαを求めるお問い合わせを頂くことは多くあります。

私自身も、語学だけではななく、プラス何があればより充実した留学になるだろう??と日々考えています。

そのヒントになりそうな記事がハーバードビジネスレビュー2012年10月号の記事にあったので、紹介します。著者は、ベタープレイス・ジャパン代表取締役社長兼アジア・パシフィック代表の藤井清孝氏です。

今回は社会学的考察の超まじめな内容ですので、お疲れの方はスルーして下さい(´・ω・)

藤井氏は、英語力は世界の中で生き残りをかけた「必須の武器」になると言及し、その要因を3つあげています。

①日本市場の縮小に伴う日本全体の影響力の低下。
②インターネットによる英語メディアの急速なグローバルレベルでの普及。
③急速に英語化するアジア。

賛否はあるでしょうが、藤井氏の考察で興味深かったのは、日本が世界で注目されるのはこれまで「人」がベースになっていなかった、ということです。例えば経済成長が著しかった1980年代、注目されたのは「製品」と「資本力」であって、こういったものを背景に世界が日本に注目してくれていました。

でも、日本市場が縮小している現在、「製品」や「資本力」ではアジア諸国に追い上げられています。私自身、前職でアジア諸国と取引をしていましたが、年々、製品力のレベルアップ度合いがすさまじく、2段3段飛ばしで駆け上がってくるようなイメージを持っていました。

そういった状況では世界が自動的に日本に注目をしてくれることはなく、自分から発信する力をつけなければならない、と藤井氏は述べています。

さらに、英語化するアジア、といった視点で目を向けてみると、ミャンマーのアウンサン・スーチー女史、シンガポールのリー・クワン・ユー元首相、マレーシアのマハティール元首相、台湾の馬英九総統、韓国出身の潘基文国連事務総長といったように、英語で世界が注目をする情報を発信できる人々がいます。

一方日本はというと、世界に向けてきちんと英語で情報を発信できる、「個人に帰属する」信頼感を持ったリーダーが非常に少ないのです。確かに、スポーツの世界でも、柔道のルールなんかでは本家日本が蔑ろにされていたりしますしね。。。

では、今後何が必要なのか。

藤井氏によると、「個人ベースで存在感のある英語」=「人を動かす英語力」だそうです。

「人を動かす英語力」、この言葉を見た時「なるほど!」と思いました。

仮に英語を使うことができたとしても、自分の発信した言葉が相手に響くことがなければ、ただの自己満足で終わってしまいます。英語を使って何かするには、相手に「聞かせる」情報発信をしていかなければなりません。これまで日本は、「個人」ではなく「製品」と「資本」を背景に、世界に「聞いてもらえる」状態を作っていましたが、その時代はもうとっくに終わっています。だから、これからは、相手に聞かせる発信力、つまり、「人を動かす英語力」が必要になってくるのです。

藤井氏は、「人を動かす英語力」とは何か、もう少し突っ込んで考察もしているのですが、自分が頭痛がしてきたので、一先ずこの辺で終わっておきます。

書く気になれば、いずれ続きを書きます(笑)

でも、英語そのものがおろそかになっては元も子もないので、プラスαを求めてもいいのですが、まずは英語をしっかり身に着ける、といった姿勢も大事ですね(・ω・´)

坂本 岳志 / Takeshi Sakamoto

オーストラリアのメルボルン在住。豪政府公認PIER教育カウンセラー(QEAC登録番号:H297)。日本の大学を卒業後、日常英語もままならないレベルから、メルボルン大学大学院進学を決意。卒業後は、日本の商社で海外取引に3年携わる。現職に就いたきっかけは、メルボルン大学と商社時代に感じた「危機感」でした。各国の優秀な人材が海外で経験を積み、どんどん活躍していく中、日本の縮小を実感し、何か自分が役に立つことができるのでは、という思いから留学業界へ転職。東京オフィス→パースオフィス→石川県でリモート勤務を経て、2021年2月よりメルボルンに戻り、主にオーストラリア全都市の大学・大学院進学希望者のカウンセリングとサポートを行っています。このカウンセラーに質問する