【ワーキングホリデー】所得税に関するお知らせ 2022

2021年12月17日に、ワーキングホリデーメーカーの所得税率に関するルールの変更が発表されました。日本国籍のワーキングホリデーメーカーにもかかわることなので、概要をお伝えしようと思います。
by NY-http://nyphotographic.com/ (2015) / CC BY-SA 3.0

基本のルール

まずは基本のルールをおさらいしましょう。

オーストラリアの所得税率は、元々「居住者」「非居住者」の2つでしたが、2017年1月1日の収入から、新たに「ワーキングホリデー」という分類ができました。ワーキングホリデーメーカーは、「居住者」「非居住者」いずれの条件を満たす場合でも、「ワーキングホリデー」の税率が適用されます。
また、ワーキングホリデーメーカーは、一定の条件を満たすと、Tax Return及びNon-Lodgement-Adviceの提出は不要となっています。

FY2021-22の所得税率は下記の通りです。
Taxable Income
(所得)
Resident tax rates
(居住者の税率)
Foreign resident tax rates
(非居住者の税率)
Working holiday maker tax rates
(ワーキングホリデーの税率)
0 - $18,200 非課税 32.5% 15%
$18,201 - $45,000 $18,200を超える金額に対して19% 32.5% 15%
$45,001 - $120,000 $5,902 + $45,000を超える金額に対して32.5% 32.5% $6,750 + $45,000を超える金額に対して32.5%
$120,001 - $180,000 $29,467 + $120,000を超える金額に対して37% $39,000 + $120,000を超える金額に対して37% $31,125 + $120,000を超える金額に対して37%
$180,001 and over $51,667 + $180,000を超える金額に対して45% $61,200 + $180,000を超える金額に対して45% $53,325 + $180,000を超える金額に対して45%
参考:ATOウェブサイト「Individual income tax rates」「Working holiday makers

今回発表された変更

今回発表された変更は、下記の内容です。
日本を含む、オーストラリアと租税条約を結んでいる国(a non-discrimination article (NDA) country)から来たワーキングホリデーメーカーについては、「居住者」要件を満たす場合は、「居住者」の税率を使用する。
参考:ATOウェブサイト「Taxation of Australian resident WHMs from NDA countries
ご自身が「居住者」に該当するかどうかわからない場合は、ATOまたは登録税理士にご相談ください。
参考:ATOウェブサイト「Australian resident for tax purposes

手続きについて

「居住者」に該当する場合、これによるメリット、または還付を受けるには手続きが必要です。
FY2021-22以降の所得税

源泉徴収は「ワーキングホリデー」の税率で行われますが、Tax Returnの際に「居住者」の税率へ調整します。通常、ワーキングホリデーメーカーは一定の条件を満たすと、Tax Return及びNon-Lodgement-Adviceの提出は不要となりますが、この調整を受けるためには必ずTax Returnが必要です

過年度(FY2016-2017~FY2020-21)分の修正

申告済で修正期間内、申告済で修正期限超過、未申告、いずれの場合も手続きが可能ですが、方法が異なります。詳細はATOウェブサイトにてご確認ください。

参考:ATOウェブサイト「Taxation of Australian resident WHMs from NDA countries

なぜこんなことに?

最初に示した税率の表を見ていただければわかるとおり、税金は「居住者」よりも「ワーキングホリデー」の方が多く取られてしまいます。2016年12月31日以前は、ワーキングホリデーメーカーも「居住者」の条件を満たす場合は「居住者」の税率でだったので、そこに疑問をもったイギリスのワーキングホリデーメーカーが、弁護士に相談したところ、「ワーキングホリデーメーカーに別の税率を設定することは著しく高い税率でない限り不当とは言えない。ただし、租税条約を結んでいる国のワーキングホリデーメーカーに対してはその条約に基づき、国民と同じ扱いをすべき」という結論に至り、裁判所へ提訴。その結果、2021年11月3日に高等裁判所でその訴えが認められたため、今回の変更となったのです。

オーストラリアの通訳サービス(公的機関)

ATOを含むオーストラリアの公的機関への問い合わせの際、英語に不安のある方は、通訳サービス(TIS National Services)を利用することができます。下記へ電話すると、日本語通訳者と問い合わせ機関の担当者との3者通話になります。日本語通訳者につないでもらうまでの流れは、ブログ「対応してくれたのはAIだった!」でご紹介しています。

オーストラリア国内から:13 14 50
オーストラリア国外から:+61 3 9268 8332

※この情報は2022年2月17日現在のものです。
※オーストラリア留学センターではタックス・リターン及び上記修正申告のお手伝いはしておりません。オンライン申請の仕方などについても回答致しかねます。ご不明な点は、ATOもしくは登録税理士へご相談ください。

天ヶ瀬 有美 / Yumi Amagase

日本在住。オーストラリアではゴールドコーストに6年、アデレードに1年半、オーストラリア中央部に半年滞在していました。

会計業務担当。日本の大学で経済学部を卒業後、金融関係の会社に9年間勤務。職場にも恵まれ楽しい日々を送りながらも、幼い頃から抱いていた海外で生活してみたいという夢を捨てることができず、2012年ワーキングホリデーで渡豪。「1年しかないなら、日本ではやらないこと・できないことをやろう」と大自然の中でのローカルの仕事を経験。翌年、就職活動で英語力を証明するためにIELTSを学びに語学学校へ。卒業時にIELTS6.5を取得。もっと上を目指したいとサザンクロス大学の会計学修士課程(Master of Professional Accounting)へ進学。2015年11月、同大学を卒業し、現職。

趣味は旅行、散歩、カフェ巡り。これまでに19カ国を訪問。オーストラリアでもたくさんの都市に出かけました。オーストラリアで出会ったコーヒーも大好きです。