金環日食のうれしさと悲しさ


東京にちょうど出張に来ていたので、金環日食を見る事ができました。太陽の光をさえぎる月は球体なんだという事が、テレビの画像からは感じられない実際に見たときの印象として、残りました。このタイミングで日本にいられたことはとてもラッキーでした。

私はこのような天文現象ネタがあると、いつも天文学の無かった昔の人々に思いを馳せてしまいます。いきなり太陽が欠けていったときに、当時の人は何を思ったのか。太陽と地球(大地)の間に何かがあるかもしれないと感じたときの恐怖感はどんなものだったのかなど、想像するとわくわくします。そして、その人々の中で冷静に考え、空を毎日観測し、謎を解明するきっかけをつかんだ人が現れ、記録に残し、次の世代がまた考え続けたり観測を続けたりして、当時の宇宙の謎は現代では小学生でも習う知識となっていったのです。

私は、最初になぜなんだろうと考えた人にとてもあこがれます。なぜ、日食が起こるのか、いつ、またそれがやってくるかも解らないまま、考え、空を見上げていた人にあこがれます。しかし、現代の社会は何から何まで解ってしまっているから、次の日食まで(その日程も場所さえも解ってしまっている)誰も空を見上げません。日食観測用眼鏡はゴミ箱に捨てられ、それを使って、太陽をまた見てみようという人はほとんどいないでしょう。すべての自然現象が経済効果で語られ、情報やイベントとして消費されていきます。悲しい現実です。

それでも、全国の子どもの中で何人かでも、マスコミが煽る表面的な話ではなく、深い経験をして、ずっと空を見上げていってほしいと思います。

衛藤 伸彦 / Nobuhiko Eto

代表取締役。南オーストラリア州アデレード在住。1985年 千葉大学を卒業後、文具メーカーのプラス(株)にて業態開発、商品開発、経営戦略室を担当。1990年 マサチューセッツ州立大学ビジネススクールに留学。1992年(株)ベネッセコーポレーション入社。2004年 語学学校のベルリッツインターナショナルに出向。東南アジアのマネージャーやアジア地区のフランチャイズ管理を担当。2008年より現職に就任。入学手続き無料、オーストラリアの現地6都市での無料サポート、情報量豊富なWEBサイトの構築など、留学を志す全ての人々にとって「留学エージェントとはこうあるべき」という姿を追求する日々。etonobuhiko.comにて個人ブログ更新中