自分の世界を意識してみること


私たちは、好むと好まざるにかかわらず、意識しているのかしていないかも分からないまま、ある世界観の中で考え、行動し、喜び、悩んでいるのだと思います。その世界観と言うのは、時代によって社会から要請されているものを、人ぞれぞれが敏感に感じながら、自分の中で作っていくものです。例えば戦前はお国のために生きるという社会の要請があり、高度成長期にはあきらめずに頑張れと言う要請があり、きっと今は自分らしく生きろと要請があるのだと思います。

社会から要請されている通りに生きていくのは、多くの人にとってストレスを溜めない一番いい方法で、真面目な人ほど社会の要請に疑問を持ち、悩んでしまうのは、たぶんどの時代でも同じなのだと思います。しかし、そのような疑問を持つ人が芸術などの分野でエネルギーを発散させ、活躍できたのだと思います。

今の時代のほうが、逆に自分らしく生きろと、目標が個人に押しつけられてしまって、一見何でもありで自由のように見えて、どうしたらいいかみんな立ちすくんでしまっているような印象があります。そう言われたって、この不景気ではやってみたいことを探すのも難しいし、そもそも自分らしさなんてよく分からないから、好きなものを買って家に飾って、素敵な自分の空間を作ることが自分らしさということで、うちにこもる人が多くなったのかもしれません。

世界を旅してみると、その社会の要請や、その国の人々の世界観は日本人のそれとは大きく違っています。別に真似をする必要もないし、自分の世界観を壊す必要もありません。ただ、違う人がいるということを意識できればいいのだと思います。自分の世界観ってこうだよなとちょっと第3者的に自分を見つめ直してもらえばいいのだと思います。そんな時間は若いときにしか作ることができないし、若いときにそんな時間を経験することで、素敵な大人になっていくのだと思います。

衛藤 伸彦 / Nobuhiko Eto

代表取締役。南オーストラリア州アデレード在住。1985年 千葉大学を卒業後、文具メーカーのプラス(株)にて業態開発、商品開発、経営戦略室を担当。1990年 マサチューセッツ州立大学ビジネススクールに留学。1992年(株)ベネッセコーポレーション入社。2004年 語学学校のベルリッツインターナショナルに出向。東南アジアのマネージャーやアジア地区のフランチャイズ管理を担当。2008年より現職に就任。入学手続き無料、オーストラリアの現地6都市での無料サポート、情報量豊富なWEBサイトの構築など、留学を志す全ての人々にとって「留学エージェントとはこうあるべき」という姿を追求する日々。etonobuhiko.comにて個人ブログ更新中