留学生が被害を受けた事件で考えたこと


留学ビジネスには2つの側面があります。日本から送り出す側と海外で受け入れる側です。

この場合、受け入れる側の方がずっと責任が重たくなります。それは留学に関するトラブル、相談事は海外で起きるからです。ところが、今までの留学ビジネスの歴史を見ると、送り出す側の会社が営業を握っていたので、受け入れる側は下請けと考えられ、出来るだけ安いコストでプロではない人を雇っていたり、現地に行けばなんとかなるとか、自立するためには現地に相談するところが無い方が良いなどといった信じられない理屈で海外で放り出され、途方に暮れている留学生も多かったのです。

私たちは、その状況を根本的に変えたいと思っています。それは送り出す機能と受け入れる機能の一体化です。送り出す側では最新の情報を更新しているその都市のハンドブックをお渡ししています。それでも留学生は空港に着いたときは、緊張の固まりです。しっかりと生活を軌道に乗せ、勉強に集中する環境をセットするためには、サポートが必要だと思います。いったん軌道に乗ってしまえば、確かに現地サポートの必要性は少なくなります。しかし、留学期間中に最初の計画を変えてみたいと思う留学生たちも数多くいることも確かです。私たちは、そこまで含めて、無料でサポートをしています。なぜなら、そこまでは責任を持たなくてはならない、必要不可欠なサービスだと思うからです。

東欧で留学生が殺害されるという事件があったと聞きました。とても悲しいことです。この問題の要因のひとつは、送り出す側の安易さ、あるいは受け入れ側とのコミュニケーションギャップなのだと思います。私たちが紹介をしているオーストラリアは世界のどこの国に比較しても治安のいい国です。それでも、受け入れ側の視点でいつも考え、緊張感を持って仕事をしていきたいと思います。

衛藤 伸彦 / Nobuhiko Eto

代表取締役。南オーストラリア州アデレード在住。1985年 千葉大学を卒業後、文具メーカーのプラス(株)にて業態開発、商品開発、経営戦略室を担当。1990年 マサチューセッツ州立大学ビジネススクールに留学。1992年(株)ベネッセコーポレーション入社。2004年 語学学校のベルリッツインターナショナルに出向。東南アジアのマネージャーやアジア地区のフランチャイズ管理を担当。2008年より現職に就任。入学手続き無料、オーストラリアの現地6都市での無料サポート、情報量豊富なWEBサイトの構築など、留学を志す全ての人々にとって「留学エージェントとはこうあるべき」という姿を追求する日々。etonobuhiko.comにて個人ブログ更新中