椅子とりゲーム


私が東京で住んでいる駅は始発の駅なのですが、電車が到着してドアが開くと並んだ人たちがすごい勢いで座席の取り合いバトルが始まります。

それは、たった5秒で完了し、すごいスピードなのですが、中でも私と同世代のおじさんたちが座った瞬間に眠りだすのは、悲哀を感じてしまいます。また男女関係なく若者が年寄りを押しのけて座った後に携帯ゲームに興じているのも美しい感じはしません。誰も一言も発しないで、ドアが開いて10秒後には乗客がそれぞれの時間に入っていくのは、本当に異様な光景です。

今の日本の社会って、こんな風景に凝縮されている感じがします。限られた椅子をみんなひたすら求めて、座ったら、その電車がどこに行くのかよくわからないけど座り続けている、座っていることが目的になってしまっている、そんな世界です。

立ってみないと外は眺められないけど、外を眺めるくらいなら、眠っていたい。すてきな街並みが見えたので、ちょっと降りてみたいけど、次に座れるかどうか分からないから、降りようとしない。

私は乗れる電車に乗るというポリシーなので、座れたり立っていたりと毎日違うのですが、人間観察や隣の人の新聞を速読したり、外を眺めたりして楽しく通勤しています。

衛藤 伸彦 / Nobuhiko Eto

代表取締役。南オーストラリア州アデレード在住。1985年 千葉大学を卒業後、文具メーカーのプラス(株)にて業態開発、商品開発、経営戦略室を担当。1990年 マサチューセッツ州立大学ビジネススクールに留学。1992年(株)ベネッセコーポレーション入社。2004年 語学学校のベルリッツインターナショナルに出向。東南アジアのマネージャーやアジア地区のフランチャイズ管理を担当。2008年より現職に就任。入学手続き無料、オーストラリアの現地6都市での無料サポート、情報量豊富なWEBサイトの構築など、留学を志す全ての人々にとって「留学エージェントとはこうあるべき」という姿を追求する日々。etonobuhiko.comにて個人ブログ更新中