日本の教育環境に思うこと


私の娘たちは2人とも小学生の時からオーストラリアに留学していたので、日本の教育環境については当事者としての経験はないのですが、日本で働くものとして考えてきたことがあります。

日本の教育と言うか社会の問題点だと思う点は、日本の経済活動が子ども市場に大きく頼ってしまっていることです。家計の3割とか4割が教育費用に充てられ、小さいときから休む間もなく、勉強させられ、遊ばせられるのでは、子どもたちが子どもらしく生きていける時間はとても限られてしまっているようにみえます。昨日も有名私立高校の入試結果の発表シーンがニュースで放映されていましたが、昨日合格した子たちはまた3年後に大学受験が待っていて、そこに向かってまた走り出さなくてはいけないのです。

オーストラリアでは、そのような市場は存在しないので、親もあまり焦らないし、子どもたちは本当に伸び伸び生きています。娘たちの場合、大学受験のために少し勉強をするようになったのもYear11とYear12の2年間くらいでした。

塾やゲームや携帯電話など、日本の多くの企業が子ども市場をターゲットにして、彼らを中毒症状にさせるような商品を提供しています。それを社会が許していることが問題と言うばかりか、日本のGDPはそれなくしては成り立たない状況なのかもしれません。そのような状況で、無理して経済成長率を維持しようとしても、子どもたちの人間としての成長を阻害している訳ですから、長い目で見れば、そのような市場を放置していることが、現在日本に人材が育ちにくい状況になってしまったひとつの原因だと思うのです。

私の経験から言えば、そのような子ども市場にお金を使わなければ、経済的には厳しいですが、オーストラリアで親子の留学が可能だったので、そんな選択肢もあるのだということを、これからもう少しアピールしていきたいと思います。

衛藤 伸彦 / Nobuhiko Eto

代表取締役。南オーストラリア州アデレード在住。1985年 千葉大学を卒業後、文具メーカーのプラス(株)にて業態開発、商品開発、経営戦略室を担当。1990年 マサチューセッツ州立大学ビジネススクールに留学。1992年(株)ベネッセコーポレーション入社。2004年 語学学校のベルリッツインターナショナルに出向。東南アジアのマネージャーやアジア地区のフランチャイズ管理を担当。2008年より現職に就任。入学手続き無料、オーストラリアの現地6都市での無料サポート、情報量豊富なWEBサイトの構築など、留学を志す全ての人々にとって「留学エージェントとはこうあるべき」という姿を追求する日々。etonobuhiko.comにて個人ブログ更新中