私の娘たちは2人とも小学生の時からオーストラリアに留学していたので、日本の教育環境については当事者としての経験はないのですが、日本で働くものとして考えてきたことがあります。
日本の教育と言うか社会の問題点だと思う点は、日本の経済活動が子ども市場に大きく頼ってしまっていることです。家計の3割とか4割が教育費用に充てられ、小さいときから休む間もなく、勉強させられ、遊ばせられるのでは、子どもたちが子どもらしく生きていける時間はとても限られてしまっているようにみえます。昨日も有名私立高校の入試結果の発表シーンがニュースで放映されていましたが、昨日合格した子たちはまた3年後に大学受験が待っていて、そこに向かってまた走り出さなくてはいけないのです。
オーストラリアでは、そのような市場は存在しないので、親もあまり焦らないし、子どもたちは本当に伸び伸び生きています。娘たちの場合、大学受験のために少し勉強をするようになったのもYear11とYear12の2年間くらいでした。
塾やゲームや携帯電話など、日本の多くの企業が子ども市場をターゲットにして、彼らを中毒症状にさせるような商品を提供しています。それを社会が許していることが問題と言うばかりか、日本のGDPはそれなくしては成り立たない状況なのかもしれません。そのような状況で、無理して経済成長率を維持しようとしても、子どもたちの人間としての成長を阻害している訳ですから、長い目で見れば、そのような市場を放置していることが、現在日本に人材が育ちにくい状況になってしまったひとつの原因だと思うのです。
私の経験から言えば、そのような子ども市場にお金を使わなければ、経済的には厳しいですが、オーストラリアで親子の留学が可能だったので、そんな選択肢もあるのだということを、これからもう少しアピールしていきたいと思います。