1998年、もう12年も前になりますが、長女が小学校に入るときに姉妹と母親でオーストラリアのパースという街に引っ越しをして留学生活を始めました。娘たちは学校に頼んで学生ビザを出してもらい、妻はその付き添いビザで入国をしました。当時は留学の相談ができるエージェントなども無かったというか、存在を知らなかったので、私は出張ついでに学校を訪問して直談判でそのようなことが可能か、学校の方と交渉をしました。
今思うと、なんて無鉄砲なことをして、家族を巻き込んでしまったのかと思いますが、当時は不思議な自信と使命感で、娘たちに日本の義務教育を受けさせない選択を選びました。それから12年、姉に続き、妹も無事オーストラリアの大学に進学して、毎日必死で勉強をし、そして充実した日々を過ごしています。オーストラリアの教育は本当に伸び伸びしていて、塾もなければ通信教育もなく、学校の授業をしっかり受けていれば、大学、あるいはTAFEと呼ばれる公立の専門学校に進学することができます。大学に進学してからはさすがに、大変なようですが、自分のやりたい学問なので楽しいと話しています。日本の子どもたちのように、若いうちに燃え尽きてしまうこともなく、また親からしても、学校以外の教育費用はほとんどかかりません。ですから、普通のサラリーマンであった私もなんとか教育費用を捻出できたのだと思います。 オーストラリアの大学は日本で言うところの教養課程がないので、3年間で卒業です。20歳で卒業してしまう長女は、その後、マスターを取るか、世界を1年かけて旅をしてみるかなど、夢を膨らませています。日本は今年は不況のせいで、大学卒業生たちの就職率がとても低いと聞きました。多くの教育費用を投資して、大学に進んでも、就職できないというのは、何かが間違っているのだと思います。このような日本の教育システムに疑問をもつ方が少しずつ増えているようです。